共済の口座振替の書類を書いていた。3枚くっついていて、一番上にペンを入れると、その筆跡が下の紙にも伝わって複写されるタイプのもの。調べたら複写シートとか複写用紙とか呼ぶそうだ。

紙の書類に手書きは苦手だ。しかも三枚複写。自治体や銀行など、場所によってはまだまだ残っている方式だ。素人の想像だが、やり方を変えるには色々大変なんだろう、たぶん。たくさんお金がかかるとか。それは俺の払った税金や共済掛金、預金のほんの一部が運用されて生まれた利益を業務改善とかに投じて、それで何年か後にはそこそこ進化してる、みたいなもの。ずーっと変わらないままだったりするところもある。べつに、変わらなくたって大きな問題はない。係員は書類の作法を熟知していて、何でも教えてくれるので言われたとおりにサインや押印をすればいい。単に俺が、手書きが苦手すぎてちょっとストレスを感じているだけで、それは俺が気にしなければいいだけの話だ。

そもそも、手書き自体がもうあまり身近な行為ではない。ちょっとしたメモをする時くらい。どうしても必要になるのが正式な書類を手書きするときで、それも最近ではめったにない (とはいえ、年に数回はある) ので、まず緊張する。何が一番問題かって、書き損じた時の修正が面倒。たしか「書き損じに取り消し線、その上に押印(修正が本人によるものであることを示すための印)」と「隣に訂正内容を記述、こちらも押印」とかそんな感じ。修正ペンは使ってはならない。書き損じた箇所の周辺に訂正を書くスペースがない場合はどうしたら良いのだろうか。

だいたい、俺はキーボードじゃしょっちゅうtypoをする。慎重に打てば正確さは上がるが、ミスを0%にはできない。手書きの場合も同じで、慎重に書いても失敗するときは失敗する。ペンに力こめすぎとか、ハンコが斜めにずれてインクが広がってしまうとか、失敗は気をつけてもゼロにはできない。だから、少しずつでも、紙や手書きやはんこといったものが減っていく世の中は、過ごしやすくなってきてるなって実感できる。同時に、そうじゃないところもふつうにあるんだなと知る。